BLOG
弊社英語ブログのうち、いくつかを日本語翻訳しています。英語ブログはこちら
Enginesプラグインをユニークに活用しよう
GameSynthのEnginesプラグインでは、レーシングカー、トラック、セダンやスポーツバイクまで、物理的に正確なエンジン音を、車を運転するような直感的なUIを使ってシミュレートできます。
もちろん、このプラグインもGameSynthの他のシンセと連携させて、ユニークな音作りに活用できます。今回は、Whooshモデルと組み合わせて車の通過音を作ったり、Modularモデルと組み合わせてSFの宇宙船のエンジン音が作られるのを見ていきましょう。
車の通過音
まずはEnginesプラグインで、速度の変わらない一定のエンジン音を作ります。今回はスケッチパッドは使わず、メタパラメータで速度や回転数を制御する仕組みをとります。
- 好きな車両を選択し、画面上部のアクセルペダルを最大に設定します(これで、踏み込みの効いたはっきりとしたエンジン音になります)。
- 「RPM」という名前でメタパラメータを作成してフェードアウトカーブを作り、それを車両のRPMメーターに割り当てます。
- 「Speed」という名前でメタパラメータを作成して三角形型の曲線を作り、それを車両の速度計に割り当てます
- パッチを再生し、メタパラメータが正しく機能していることを確認します。また、画面右側のミキサーパネルのエンジンプロパティを好みに合わせて微調整しておくといいでしょう。
- 結果のパッチを保存します。
続いて、Whooshモデルに移りましょう。
- 画面左上のEnvelope画面を右クリックし、エンベロープの形をExponential Attack-Releaseに変更します。これは、物体の通過音に適しています。
- 画面中央上のDeflectors画面で、低周波寄りに山をひとつ作り、Deflector Levelレベルを約0.10に設定します。これで、エンジン音だけでなく低音の風切り音が加わります。
- 画面右上より、LFOを0%に設定しておきます。
画面中央上のSound sources → Patchより、先ほど作ったエンジンパッチを読み込みます。
- Sketchpad X Destinationには「Speed」メタパラメータを割り当て、Sketchpad Y Destinationには、「RPM」メタパラメータを割り当てます。これで、先ほど作成したメタパラメータを、Whooshモデルのスケッチパッド内で駆動できるようになりました。
- パッチレベルを1に設定します。
スケッチパッドに線を描くと、車の通過音が生まれます!ストロークとDuration値を変えると、様々な音が生まれます。エンジンタイプに応じて、EQで特定の周波数を強調させ、Saturationパラメーターを加えるとより過激なサウンドになるでしょう。
Enginesモデルに戻り、音や車種を変更してパッチを保存すると、これらの変更は自動的にWhooshモデルにも反映されます。また、画面中央右のバリエーションパラメーター(Duration、Deflectors、Movement、Pitch Range)を調整すれば、車両の通過バリエーションを無数に生成していけます。
宇宙船の着陸
Modularモデルに搭載されているPatch Playerモジュールを使うと、Modular以外のシンセ(例えば今回のEngines)で作成した効果音パッチを、サウンドジェネレーターとして呼び込んで使うことができます。ロードされたパッチのメタパラメータは、パッチプレーヤーモジュールに通常のパラメーターのように表示されます。
今回は、Enginesモデルで作ったバイクの音を呼び込み、そこからModularモデルに搭載されている多数のサウンドモジュールを使いこなして、バイク音を宇宙船のエンジン音風に、大胆にカスタマイズしてみましょう。
- Enginesモデルでスポーツバイクモデルを選び、右肩下がりのAutomation Curve(5秒長さ)を、RPMメーターにドロップします
- パッチを再生し、減速を追跡するようにスロットルペダルを動かし、パッチを停止してペダルの動きを録音します
- ミキサーパネルでエンジンパラメーターを微調整し、パッチを保存します
- モジュラーで、新しいパッチを作成し、Patch Playerモジュールを追加して、エンジンプラグインパッチをロードします
エンジンのサウンドをより未来的なものにするために、いくつかの処理を追加しましょう
- Patch Playerの直後にGainモジュールを挿入します。これは減速するLFOによって制御され、振幅変調が追加されます
- 信号を3つのブランチに分割し、Chorus、Ring Modulator、EQ Filterを通過させます。Chorusはさらに多くのモジュレーションを追加し、Ring ModulatorはよりSF系の音に仕上げ、EQ Filterは、最後に音が遅くなるときに低周波数を強調します。
モジュラーモデルでは、新しいジェネレーターを追加してサウンドをさらに拡張することもできます。たとえば、リアクターサウンドを追加しましょう。
- 最初のアグレッシブなサウンドをシミュレートするために、SaturatorとFlangerのエフェクトを通過するNoiseモジュールを備えた新しいブランチを追加します。
- 結果を一方のLadderフィルター(高周波数で少しレゾナンスを追加するため)に送信し、もう一方の側でBiquad フィルター(低周波数をブーストするため)に送信してから、それらをミックスバックします。
- 減少するEnvelopeによって制御されるPitch Shifterによって、宇宙船が着陸音になります。
エンジンプラグインを使用して行ったように、モデルを混合することを躊躇しないでください。これにより、より単純なパッチ構造で複雑な結果を得ることができ、多くの時間を節約できます。