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GameSynth 2022
2022/04/21

GameSynthで蒸気機関車の音を作ろう

ニコラス・フールネル

エンジン、蒸気、汽笛と、一連の音を備えた蒸気機関車の音をGameSynthで作ってみましょう。スピードを調節でき、かつ自動で停止して蒸気を吐き出すといったロジックも組み立てていきます。

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エンジン音

まずは、おなじみの「シュシュシュ」とした特徴的で反復的な機械音を、モジュール左側で作っていきましょう。「カタカタカタ」としたGearの音を用意します。(振幅がSaw Up形状と異なる周波数のLFOで、エンジンのリズムに小さな変化を与えています)

Thunder(雷)音とこの歯車のリズムをCross Synthesisすることで、非常に実感のある「シュシュシュ」とした蒸気エンジン音が出来上がります。

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ホイッスル

GameSynth 2022で追加されたHorn(ホーン)モジュールで汽笛を鳴らしましょう。

このモジュールは笛系の音にありがちな「冒頭のピッチの上がり」「振幅のアタック」パラメーターが備わっているので、こういったタイプの音に便利です。Frequency Shifter(周波数シフター)を通すことで機関車の汽笛に近くなります。Reverb(リバーブ)で、トンネルを潜ってきたような反響を与え、サウンドにより多くの存在感を持たせます。

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蒸気

2つのSteam(蒸気)モジュールを使っています。「プシュー」とした鋭い噴射と、「ゴオオ」とした、若干遅れてやってくる低音の噴射を作り、それらをミックスすることで、スケールの大きい機械に仕上げています。前者はReverbで音のテールを長くし、後者はEQ (5 bands)で低音を強調しています。

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ロジック

1つのMeta Parameterで機関車のスピードをコントロールできるようにしましょう。設計の右側では、GearSpeedをコントロールすることで「シュシュシュ」の速度を変えています。あまり速くなりすぎると奇妙なので、Mapperモジュールでスピード範囲を制限しています。

速度が0に近づくと、自動的に列車が停止し、蒸気が放出されます。
Crossingモジュールによって、「Meta Parameterが定義値をクロスした瞬間にトリガーを送信」を実現しています。 トリガーモードを「Once, decreasing value」に設定することで、「減速したら1回だけトリガーする」ルールとなります。

Crossingsの出力は、Steamモジュールおよび、モジュール左側下部のMuteモジュールに接続されているため、これによりSpeedが一定値より低くなったら蒸気音を放出し、かつエンジン音を効果的に止めています。

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蒸気機関車パッチは以下からダウンロードできます。GameSynthパッチリポジトリには、他にもいくつか列車(train)パッチが備わっているので、チェックしてみてください。



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