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DSP Fantasyで本格ファンタジー映像に音をあてよう(後編)
ブログ前編では、ダンジョンや魔法シーンに音をあてていきました。今回は動画後半のスケルトンやドラゴンといった、アグレッシブなクリーチャーシーンに音をあてていきましょう。
橋の上の戦士
戦士がスケルトンと斧で戦っています。スケルトンモンスターの鳴き声は、もちろんクリーチャー_スケルトンの「シャー」をベースに、クリーチャー_ゴブリンの「グルル」も重ねています。ランダム生成で、近い音同士を重ねると便利でしょう。また、以下のモデルも音作りに活用しています。
ダンジョン_足音:表面を砂利にし、スケルトンの足音に活用
アイテム_装備&魔法_スクロール:前者は、材質に木のみを使用し、後者は風魔法をミュートに設定。これにより、スケルトンが倒れこむ時のカラカラ…と骨が崩れ落ちるような音を作っています。
戦士の動きは、以下のモデルを使っています。
ダンジョン_布すれ:前回の魔導士と違い、金物セクションで「カチャカチャ」とした金属的な装備を持たせています。
クリーチャー_悪魔:素振り時に聞こえる、声のうなりを追加しています。
また攻撃は、武器_こん棒の風切り音と、武器_斧のインパクト音を使い、2連撃用の2つのバリエーションを作って組み合わせています。さらにダンジョン_ぶつかりモデルで、敵を粉砕する音を加えています。
さらに環境音として、環境音_風モデルで空気の強さ、ホイッスルパラメーターを高め、橋のような高所で鳴る風を演出しています。ドラゴンの飛来
大型のドラゴン登場です。
クリーチャー_ドラゴンモデルには、ドラゴンの鳴き声、翼、炎といった一式が揃っており、さらに音の長さ、翼の速度等の、音を映像に同期させるためのパラメーターが揃っています。今回はグルルセクションで、喉の鳴りのトーン以外のパラメーター値を上げ、迫力をもたせています。
さらに今回は、以下のモデルもドラゴンの声に重ねて使用しています。
クリーチャー_野生の猫:声に高周波成分を加えるため使用しています。ドラゴンの声がすでに飽和しているため、声のトーンと息づかいパラメーターを下げています。また器官のサイズを上げることで、大型の動物らしくなります。
クリーチャー_ゾンビ: ドラゴンの雄叫びの最初、最後部分にゾンビ声を重ねています。野生の猫同様に声のトーンを下げ、血肉を0にし、声の震えを最大にしています。DAWで最終的に必要な部分だけカットし、ドラゴンの口の開閉と同調させています。
ドラゴンが着地する「ズシン」には以下のモデルを重ねています。
武器_こん棒:ドラゴンの襲来時に低音の風切り音を加えるために、風切り音の長さを最大にした「ゴオオ…」音を使用。さらにヒット音セクションにて全てのトーン音を下げ、低音のインパクトを上げています。
ダンジョン_ぶつかり:打撃音セクションのみをインパクトに使用。
武器_大砲:ロードの大きさをミュートし、リバーブテイルを上げ、リバーブトーンを下げてドラゴン着地の「ズーン」を表現。
画面端に難破船などが見えるので、海の近くのような情景音も追加しましょう。
環境音_雷モデル:稲妻音をミュートして距離を大きくすることで、遠鳴りの「ゴオオ」音を作ります。
環境音_波モデル:波の大きさ、波のサイクルパラメーターを下げ、さらに近くの波音も下げています。
これで、全てのシーンの効果音演出が完成しました。
音は全てDSP Fantasyで作成されています。作成したクリーチャー、ダンジョン、魔法、武器などの効果音は、あらゆる商用プロジェクトの音素材に利用できます!