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DSP Fantasyで本格ファンタジー映像に音をあてよう(前編)
DSP Fantasyは、中世ファンタジー系効果音を演出するのに最適なツールです。クリーチャー、ダンジョン、武器や魔法まで、簡単なパラメーター調整で映像にぴったりの音を作成できます。
この2部構成のブログでは、中世ファンタジー系の映像カットに、シンプルな操作でかつ本格的な音をあてていきます。まず、出来上がった最終的な動画がこちらです。
ダンジョンの入り口
最初のシーンは、ダンジョンのドア&地下に繋がる階段です。演出に使ったサウンドモデルは以下の通りです。
ダンジョン_扉:開く音の長さは最大、リバーブを少しかけ、きしみ音の素材を金属設定にし、トーンを上げてきしむドアを作ります。次に、きしみ音を少し下げて別の音を書き出し、編集で2つのサウンド間でクロスフェードして、サウンドに少し動きを与えています。
さらに音に重みを出すため、以下のモデルも使っています。
ダンジョン_転がり/摩擦:ドアに「ズズズ…」と摩擦感を加えるため、トーンを低くした木&石の音を重ねています。
ダンジョン_宝箱:ドアの開閉前後に「ガチャリ…」とした重い音を足しています。リバーブは最大、かつトーンは低音にしています。
環境音カテゴリを使って、さらに音を加えていきましょう。
環境音_炎:松明の炎に使用。穏やかな炎なので、ノイズや火花は抑え、炎そのものをメインにしています。
環境音_洞窟 「ピチャ…ピチャ…」とした水滴を追加しています。
階段に到達してからは、環境音_風やダンジョン_鎖、クリーチャー_コウモリモデルなどで、地下ダンジョンの雰囲気を出しています。ランダム幅を与えて複数書き出し、シーンに合った音を使っていくといいでしょう。
最後に、ダンジョン_足音とダンジョン_布すれモデルで、歩いているプレイヤーを演出しています。 布すれ音は金属オプションを使わず、いくつか音のバリエーションを作成しています。
魔導士
階段を下ると、魔導士が色々な呪文を唱えています。映像の中で出てくる魔法のタイプと、使用したサウンドモデルを順に見ていきましょう。
【紫の点滅魔法】
映像を見るに、魔法_衝撃波モデルの音が合うでしょう。最初の「シュイイン」音には、魔法_風魔法モデルを使っています。もちろんパラメーターを変えれば、がらりと魔法の雰囲気が変わります。
【第一スパーク】
魔法_光攻撃モデルが、映像の「バリバリ…ドガーン」モーションと非常によく合います。さらに動きを与えるため、魔法_光の矢モデルも足しています。
【第二スパーク】
前の呪文と似ていますが、爆発から始まり、徐々にフェードアウトしています。衝撃系に魔法_念力、風音系に魔法_召喚モデルがよく合うでしょう。後者は不必要なチャージ音をOFFにしています。
【爆発】
炎系の爆発魔法なので、魔法_地獄と魔法_火炎弾モデルが最適でしょう。チャージの長さを下げ、音の揺らぎを上げることで、映像によく合う「貯め」が生まれます。魔法_火炎弾はパラメーターにランダムな範囲を割り当て、複数書き出したうちから映像に合うものを使っています。
また、魔導士の服の動きには、ダンジョン_布すれモデルを使っています。
部屋のアンビエント音に、吹き荒れる強さを強くした環境音_風モデルを使っています。また、グルル声を消したクリーチャー_クモモデルを使い、「ガサ…ゴソ…」と生き物が這うような音も加えています。
DSP Fantasyを使って、ダンジョン、魔法シーンに適した効果音をあてることが出来ました。ブログ後編では、ガイコツとの戦闘やドラゴンに音演出を施していきましょう。