新登場の効果音作成ツールDSPMotionは、マウスやペンタブで線を描くことで、音の「動き」をコントロールできます。そのためロゴアニメーション、モーションデザインなど、映像作品のサウンド演出で特にパワーを発揮するサウンドツールです。
たとえば以下の動画は、動画ツールAfter Effectsで制作したロゴアニメーションで、音はすべてDSP Motionで作った効果音をミックスして作られています。
映像カットを見ながら、 「回転する炎」「爆発」「金属の響き」音などをDSP Motionで作り、サウンドツールReaperでまとめていく流れを見てみましょう!
※本ページの一番下にて、DSP MotionファイルとReaperプロジェクトのダウンロードができます。
炎と竜巻「グルグルグゴゴ…」
ビデオ冒頭の燃える竜巻部分は、DSP Motionの「回転-炎」モデルが妥当でしょう。下のビデオのようにシーンを見ながら、スケッチパッド中心を回るようにグルグルと線を描きます。
さらに音にこだわるなら、火の玉がカメラに近づく際に、炎の風切り音が鳴ってほしいところです。下のビデオの通り、「移動-炎」モデルでいくつかバリエーションを作り、「音の長さスライダー」を調整して、火の玉の加速に合った音をどんどん書き出していきます。
次第に巻きあがる竜巻感を演出するため、さらに「変化-炎」モデルを使い、ビデオのタイミングを見ながら下から上へと線を描いていきます。
またビデオでは炎が地面を這っているため、地面がガラガラ砕けていくような音を加えても臨場感が出るでしょう。下の動画の「出現-ミネラル」モデルでは、線がキャンバス中央を通過すると「岩が砕ける」設計になっており、今回のビデオの爆発部分にもそのまま音を活用できます。
※ミネラルとは岩石のことで、DSP Motionの一連のミネラルモデルでは、落石や輝く宝石といった音を作成できます。
そしてシーン後半の「煙発生→爆発」部分の演出には、下の 「拡大縮小-炎」モデルも使いました。
最終的にこれらを、以下のようにサウンド編集ツールReaperでミックスしました。もちろん、すべてのサウンドはDSP Motionで作成されています。Reaperではフェードイン・フェードアウト、通常のコンプレッサーのみを使い、エフェクトは使用していません。
爆発「ドガーン」
下の動画のように、「炎-結合」モデルは、爆発音に最適です。爆発前のチャージ部分と、爆発後の燃焼部分をそのまま使えます。
また下の動画のように、「出現-電気」モデルも爆発音のエッセンスに用いました。最終的には、爆発の瞬間にReaper内で音を一瞬フェードアウトさせて、静寂部分を生むというトリックも加えています。
仕上げに、火の粉や粒子が飛び散る「パチパチ」音を加えています。以下のように「移動-粒子」モデルを使い、粒子タイプを「岩」に設定して音を作り出しています。
最終的にこれらをReaperでミックスした後、搭載のEQとディストージョンで音を整えて爆発部分を仕上げています。
ロゴ部分の「ホワワーン」
tsugiのロゴが光り輝く部分は、前のセクションで使った「拡大-炎」モデルより、下の動画のように低音部分を使いました。燃えさしのパチパチや、低音で「ボオォ」とうなる音がシーンで利用できます。
重厚感のある光の演出効果として、「出現-シンセ」モデルを使って、低音で唸る迫力のあるドロップトーン音を追加しました。
さらに、「回転-金属」モデルを使い、金属の共鳴音を追加しました。この「ホワーン」音は後にReaper内で反転し、リバーブエフェクトをかけています。ロゴのモーション等でよく見られる、光の演出に使用できるでしょう。
上述の2つのサウンドは,Reaper搭載のリバーブを通すことで空間的な広がりが生まれます。最後に、シーン全体のミックスを見てみましょう。
以下よりReaperセッションをダウンロードできます。ビデオとDSPモーションで作成したすべてのwaveファイルが含まれています。
DSP Motionのサウンドファイル(.motion)もダウンロードできます
※ロゴアニメーションは、MotionArrayからライセンスされたこちらのAfter Effectsテンプレートを使用しています。